• 宮崎県椎葉村の神楽を見せていただきました

    椎葉村の神楽は村内のあちこちの集落で毎年12月頃に行われています。神楽の内容は大筋同じでも、ちょっとずつ違いがあるようで、今回訪れた嶽ノ枝尾では、旅人が宿を借りに来る「宿借」という演目があることが特徴です。遠山郷の霜月祭り・奥三河の花祭りでは女性は見物にすら行かないものだったのですが、椎葉では見物の女性がはやしたてるという活躍をします。そんなことと引き比べて興味はつきません。

    奥三河の花祭りの里から参加したメンバーの感想……「すぐ近くに天孫降臨の地(*)があるという信仰の背景が祭を継続する力となり、演目も洗練されていったのではないかという気がする。」*高千穂

    また、泊めていただいた農家民宿「山柿の瀬」は、家の山の木を使った大変すばらしい建築で、宿の御主人夫妻との話もはずみました。

    山村の人たちの祭りへの思い、その継承、若い人の不在、地域の存続のことなど、やはり深く考えてしまう訪問となりました。主催者兼添乗員のはずの理事長が突然行けなくなり一時は暗雲が垂れ込めたものの、知人である椎葉さんのご案内のおかげで、無事に楽しい時間を過ごせました。


  • リアス式海岸の尾鷲市須賀利では、イセエビ漁が始まっています

    須賀利の家々の屋根(2018年11月中旬)
    三重県尾鷲市須賀利の集落(2018年11月中旬)

    11月中旬に縁あって三重県尾鷲市須賀利(すがり)を訪れました。須賀利は「にほんの里100選」の一つに選ばれている景観のいいところです。リアス式海岸に貼り付いたような集落は、灰色の瓦屋根がきれいに並び、落ち着いたたたずまいです。

    ここは昭和54年まで外部から来る車道がなかったところで、ということはそれまで集落の中を車が走ることもなかったわけで、道はとても細く、人間の体の感覚にしっくりきて、居心地がよく感じます。

    海伝いにそこへ行くしかない集落というのは、日本中、世界中、かつては普通にたくさんあったわけですが、今の日本ではほとんどないだろうと思います。けれども、国土地理院の地図をよく見ると、島や半島では今も細い1本線の道しか描かれていない集落はかなりあって、人が小舟でむらからむらへと行き来していた頃を思い描くことができます。島が散りばめられているような場所では、海は完全に道として捉えられていたと思います。「瀬戸の花嫁」のように「あなたの島へお嫁に行く」というのは、そういう場所に住んでないととてもロマンティックなような気がしますが、隣村に嫁に行くというただそれだけのことであります。五島列島のある島でも、恋人が隣の島に住んでいて、舟で会いに行っていたという話を聞いたことがあります。

    須賀利はかつて連絡船で尾鷲から20分ほどでしたが、今は車で45分ぐらいかけてカーブをいくつも通って時に車酔いに悩まされながらアプローチするようになっています。連絡船は今はありません。住む人たちは、車の方が便利だと言います。天候に左右されないからだそうです。

    リアス式海岸の風景は、見慣れないと異国のようにも思えます。毎日こういう海を見ている人と、毎日白く高い山を見ている人と、きっといろいろな感覚が違うんだろうと思います。

    10月にイセエビ漁が始まり、4月頃まで続くそうです。11月には朝の5時半頃には舟が沖から帰ってきて、エビを網から外す作業が数人がかりで行われます。網にはイガミやフグやほかのいろいろな魚もかかっていました。イセエビを数尾食べさせていただきました。言うまでもなく、とても美味でした。(清藤奈津子)

    三重県尾鷲市須賀利の朝。イセエビを網から外す。(2018年11月中旬)
    三重県尾鷲市須賀利の朝。イセエビを網から外す。(2018年11月中旬)
    三重県尾鷲市須賀利の路地。左は元風呂屋。(2018年11月中旬)
    三重県尾鷲市須賀利の路地。左は元風呂屋。(2018年11月中旬)

  • 機関紙第1号「(仮称)山里新聞」を発行しました

    11名が執筆に参加した機関紙を11月15日に初刊行しました(720部)。試作版なので地味にひっそりとやっていたのですが、執筆者には好評で(当然?笑)、次号も作りたいと思っています。内容は、南伊豆や奥三河、富山県滑川といった山間僻地の暮らしの聞き書きや、蔵造りのちょっとコラム、アユ釣りに関すること、聞き書き活動に関すること、武蔵野や木曽での活動のエッセイなどなど。試作版なので外部には大々的に出さないつもりでしたが、1つ1つの作品は秀作で価値あるものですので一応実費でお分けしています。B2版両面フルカラー 1部80円送料別。送料は1部なら120円、3部で180円、6部で215円です。申し込み先はEmail aaa@山zato.org 山をyama に換えて入力。このホームページの「お問い合わせ」画面(上部のメニューをクリック)で、振込先も記載してあります。

    広報ページから内容閲覧できます。


  • 山梨県西桂町の食の文化祭に参加しました

    食の文化祭(西桂町 2018.10.6)
    食の文化祭(西桂町 2018.10.6)

    10月5~6日に「第3回全国地域おこし名人・達人サミット in 西桂町」が開催されました。ここで食の文化祭が行われ、理事長の清藤がミニ講演をさせていただきました。会場には宮城県や東京都など全国から大勢の方が集まり、地元の皆さんも多数出品・参加や物品販売をされ、活気を感じました。とても立派な施設があることにも驚きました。

    山梨県西桂町は富士山麓、河口湖の近くの町で、富士山の湧水が町の中を流れています。かつては紬の産地で、水の流れる音とともに女性たちが機を織る音が聞こえ、そのかたわらで男性がうどんやほうとうを打っていたと聞きました。力の強い男性が打つうどんはさぞコシが強くおいしいものだっただろうと思います。

    山梨県はほぼ全域にわたり「ほうとう」や「うどん」をよく食べるようです。西桂町でも毎日ほうとうを食べていたそうです。ほうとうは大体夜作りますが、「翌朝になって溶けかかってどろどろになったようなものが味がしみておいしいので、わざと朝まで残して食べた」という人もありました。

    また、とうもろこしも山梨県ではよく食べられており、西桂町では粉にして「おやき」や「まんじゅう」にしています。近くの村では「おねり」(煮物の煮汁にとうもろこしの粉を振り入れて練ったもの)も作られていました(参考資料/農文協『日本の食生活全集』)。

    ほうとうづくり(西桂町2018.10.6)
    ほうとうづくり(西桂町2018.10.6)

    山間地では主食として米以外のものが多く食べられます。この地域では、小麦、大麦、とうもろこし、じゃがいもが多く食べられていました。当日出たほうとうにもジャガイモがゴロゴロ入っていました。かぼちゃぼうとうはよく聞きますが、ジャガイモの入ったほうとうはちょっと衝撃です。

    大変な山間地だと思っていたら、海も以外に近く、沼津から車で1.5時間。魚屋さんがイルカやサンマを運んで来て、イルカとごぼうの煮物が昔から作られているということです。昆布を使った郷土食もあります。

    6日はよく晴れて富士山も見えました。これからも女性たちが活躍されることと思います。

    (理事長 清藤奈津子)


  • 智頭林業の聞き取り 架線による搬出・石谷市場のこと

    木材搬出用の架線の支柱(智頭町)
    木材搬出用の架線の支柱(鳥取県智頭町2018)

    鳥取県智頭町で智頭林業の聞き取りを行いました。このプロジェクトは2018年1月頃から始まっています。今回2名の方の聞き取りを行い、これで16名になりました。

    智頭町には石谷林業さんが行っている木材市場(石谷市場)があります。今回のお一人はその会社の方で、この50年ぐらいの林業と木材の動向などについてお聞きしました。阪神淡路大震災や、大きな災害があるたびに、木材は売れなくなっていくそうです。復興景気で一旦は売れるのですが、その後下がっていくのです。

    また、架線による木材搬出は、30年位前は多くありましたが、最近は減っており、智頭町では1、2名の方しか現在は行っていません。そのお一人の方からお話を聞きました。子どものころから架線搬出という仕事に憧れていたという、架線のためにこの世に生まれてきたような方でした。

    (理事長 清藤奈津子)